「リーダーとして、どんなふうにメンバーと関わればいいのだろう?」

仕事で成果を求められる立場になると、ふとそんな問いが頭をよぎることがあります。
かつて営業課長だった私は、「貢献=成果=数字」だと信じて疑いませんでした。
どれだけ売れたか、何件契約をとれたか。
すべては“結果”で評価され、結果を出すために“管理”するのが自分の仕事だと。

でも、支店長になって25億の売上目標を背負ったとき、その考えがガラリと変わったのです。
数字は“人”が動かすもの
そして、人が動くには、心に寄り添う対話と信頼が必要だと、深く実感しました。


💬「何があったら、うまくいきそう?」から始める対話

あるとき、数字が低迷しているメンバーがいました。
以前は順調だったのに、どこか空回りしているような雰囲気。

そんなとき、私は叱責ではなく、対話を選びました。

「最近、どう?何があったら、どんなサポートがあったら上手くいくかな?」

そのメンバーは少し驚いた顔をしながら、自分なりに悩んでいることや感じていた不安をぽつぽつと話し始めました。
必要に応じて、一緒に現場にも足を運び、相手のお客様の空気や流れを体感しながらサポート。
「こうしなさい」ではなく、「一緒に考えよう」と歩幅を合わせたその関わりが、彼の再起のきっかけになったのです。


🧭「育てる」という選択が、数字を動かす

マネージャーは“指示”を出す人。
リーダーは“信頼”で引き出す人。

アートセラピーでよく行う「宝箱を描こう」というワークでは、箱の中や外に、その人にとっての「大切なもの」を自由に描いてもらいます。
仕事でも同じ。
人それぞれの“宝物”——強みや価値観に気づき、それを活かす道を一緒に探すことが、リーダーの役割なのだと感じます。


数字だけを見ていた頃には気づかなかった、“心のサイン”。
それに気づき、信じて育てたときにこそ、チームは本当の意味で前に進んでいく。

今、あなたのそばにいる大切な人に、そっと問いかけてみてください。

「どんなサポートがあったら、もっと輝けるかな?」

その一言が、未来を動かす力になるかもしれません。