1995年1月17日、阪神・淡路大震災が私たちの暮らしを一瞬にして変えた朝。
30年前のあの日、私は尼崎市塚口で、人生の中でも忘れることのできない衝撃を体験しました。

つきあげるような大きな揺れと恐怖の中で、ただただ「このまま死んでしまうのだろうか」と思いながら、
ベッドから起き上がることもできませんでした。
揺れが収まって外に出たときに目にした光景—崩れたブロック塀、傾いた電柱、切れた電線。見慣れた町が
一変し、言葉を失いました。

あの日、そしてその後の思い出

避難先の警察署では、ひっきりなしに入ってくる「住宅が崩れて生き埋めになっている人がいる」といった報告に、
何が起こっているのか理解が追いつかないままでした。
そんな中、避難していた方が10円玉を手渡してくれて、「家に電話をかけたら」と声をかけてくれました。
その優しさにどれだけ救われたか、今でも忘れられません。

実家に電話をかけたとき、母の声でようやく少し安心できましたが、母が口にした「神戸が燃えている」という言葉で、
ようやく震災の規模の大きさに気づきました。

電気は比較的早く復旧したものの、水が使えるようになるまで約1週間。
神戸方面に向かう電車から見えた景色には、青いビニールシートが広がり、町から色が失われたようにさえ感じました。
それでも、復興は想像以上に早かったように思います。

30年という月日と、その後の震災体験

それから30年が経ちました。
その間に、私は東日本大震災という別の大きな災害も経験しました。
東京・日本橋のオフィスで過ごしていた私は、帰宅難民化したメンバーたちと一晩をオフィスで過ごし、
翌朝から仙台支店への対応に追われました。
その中でも、人々の安全を確認しながら、生命の重みと、私たちが「生かされていること」への感謝を改めて感じました。

今を生きる私たちにできること

30年という時間が経ちましたが、あの日の記憶や思い出は色褪せることはありません。
震災を通じて知った「命の尊さ」や「支え合うことの大切さ」を、次の世代にも伝えていくことが私たちの役目だと感じます。

• 災害への備えを日常の中に取り入れること
• 困っている人に手を差し伸べる優しさを持つこと
• 「生きていること」への感謝を忘れず、今を大切に過ごすこと

これらは、震災を経験した私たちだからこそ、強く意識できることだと思います。

30年目の朝に思うこと

あの日から30年が経ちました。
多くの人が命を落とし、多くの人が悲しみに暮れたあの朝。
それでも私たちは、支え合いながら復興し、今日まで歩んできました。

「生かされている」ことへの感謝を胸に、これからも未来をつくる一歩を踏み出していきたい。
震災の記憶を風化させず、学びを伝え続けることが、あの日を経験した私たちの使命だと信じています。

どうか、失われた命に祈りを捧げながら、今日という日を大切にお過ごしください。

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