人生の中で、思い通りにならないことや予想もしなかった困難 に直面することは誰にでもあります。
でも、その時にどう向き合い、どう立ち直るかによって、未来が変わってくるのではないでしょうか。

ポジティブ心理学では、「レジリエンス(Resilience)」「再起力」や「回復力」 と訳し、
逆境から立ち直り、成長する能力として注目されています。

この分野の第一人者である カレン・ライビッチ は、
レジリエンスを**「逆境からすばやく立ち直り、成長する能力」** と定義しています。

では、この**「レジリエンス」** とは具体的にどんな力なのでしょうか?
そして、どうすれば私たちは、よりレジリエント(しなやかで折れにくい)になれるのでしょうか?


1. レジリエンスの本質をつくる7つの力

カレン・ライビッチは、レジリエンスには以下の7つの要素がある としています。

🌱 ① 感情調整能力 — 自分の感情をコントロールし、冷静に状況を判断する力。
🌱 ② 衝動調整能力 — 瞬間的な怒りや落ち込みに流されず、適切に対処する力。
🌱 ③ 共感力 — 他者の気持ちを理解し、関係を築くことで支え合う力。
🌱 ④ 楽観力 — 物事をポジティブに捉え、「きっと大丈夫」と信じる力。
🌱 ⑤ 原因分析能力 — 問題が起こったとき、感情的にならずに冷静に原因を考える力。
🌱 ⑥ 自己効力感 — 「自分にはできる」と信じ、自分の行動に意味を見出せる力。
🌱 ⑦ 働きかける力 — 自分から行動を起こし、状況をより良く変えていく力。

これらの力が備わっていると、どんな困難な状況でも、「どうにかなる」「乗り越えられる」 と思えるようになります。


2. 幸せな人は「つらいことがない人」ではない

よく「幸せな人は、恵まれた環境で生きている」と思われがちですが、
本当に幸せな人は、つらいことがない人ではなく、つらいことがあっても「乗り越える力を持っている人」 です。

🌿 「困難=悪いこと」ではない
  困難は苦しいものですが、そこから学び、成長することで、より強くなれる機会でもあります。

🌿 「意味合いの捉え直し」ができる人は強い
  同じ出来事があっても、ネガティブに捉えるか、前向きな意味を見出せるかで、大きく違ってきます。

🌿 「感情の処理」ができる人はしなやかに生きられる
  感情に振り回されず、適切に対処できる人は、長期的に安定したメンタルを維持できます。

レジリエンスが高い人は、「何が起きても、私は大丈夫」 という感覚を持っています。
だからこそ、逆境があっても、前を向いて進むことができるのです。


3. レジリエンスを高めるためにできること

では、私たちはどうすれば、レジリエンスを高めることができるのでしょうか?

「この経験から何を学べるか?」と考える
落ち込んだら、いったん「深呼吸」してみる
失敗したとき、自分を責めるのではなく「次どうする?」に切り替える
小さな成功体験を積み、「自分にはできる」と思える経験を増やす
信頼できる人と話し、気持ちを整理する

すぐにすべてを完璧にできなくても、少しずつ「乗り越える力」を育てていくこと が大切です。


4. まとめ:レジリエンスを育てることは、自分を幸せにすること

レジリエンスとは、「どんな出来事があっても、自分を立て直す力」 です。

🌸 つらいことがない人生ではなく、乗り越えられる人生をつくる。
🌸 感情に振り回されず、しなやかに生きる力を身につける。
🌸 どんな状況でも、「私は大丈夫」と思える自分になる。

私たちが日々経験することは、すべて意味があるもの。
それをどう捉え、どう乗り越えるかで、人生の質が変わります。

レジリエンスを育て、よりしなやかに、より幸せに生きていきましょう。 🌿✨

参考:困難に負けない、柔らかくて強い心を育てよう! 小学校の教室で育むレジリエンス ~中学年編~|みんなの教育技術