東日本大震災で私が学んだ
「組織が本当に守るべきもの」とは
~ 心理的安全性は非常時にこそ、その価値がわかる ~
今日も各地で自然災害のニュースが流れています。
青森では大きな地震。
九州では大雨による被害。
被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
こうしたニュースを見るたびに、
私は東日本大震災の日を思い出します。
あの日、
私は東京・日本橋のオフィスで仕事をしていました。
突然の大きな揺れ。
何度も続く余震。
どうすることもできない恐怖。
近くの日本橋高島屋では、
たくさんのお客様が床に座り込み、
不安そうな表情を浮かべていました。
そんな中、
店員さんたちは、
「大丈夫ですよ」
「こちらへどうぞ」
と、一人ひとりに優しく声をかけていました。
その姿を見て、
言葉には人を安心させる力があることを改めて感じました。
私たちもオフィスビルの指示に従い、
社内で待機することになりました。
まず始まったのは、
外出している社員の安否確認です。
しかし、
なかなか連絡が取れない社員もいました。
携帯電話はつながらない。
情報も入ってこない。
ただ無事を祈りながら、
連絡を待つことしかできませんでした。
社員の安全が確認できるまで、
帰宅を判断することもできません。
帰れる社員は帰る。
帰れない社員はオフィスで一夜を過ごす。
そんな判断が続きました。
夕食を確保しようと、
近くのコンビニへ向かいました。
でも、
食料はほとんど残っていません。
オフィスに置いてあった非常食やお菓子で
何とかしようと思っていたその時でした。
近くに住む他支店の社員が、
おにぎりを持って駆けつけてくれたのです。
あのおにぎりは、
今まで食べた中で一番おいしかったおにぎりでした。
きっと味だけではありません。
「仲間がいる、ひとりじゃない」
そんな安心まで一緒に届けてくれたのだと思います。
夕方になって、
仙台支店の状況が少しずつ伝わってきました。
大きな被害を受けながらも、
仙台支店のメンバーは、
派遣スタッフの安否確認、
クライアントへの連絡、
就業継続の支援に全力を尽くしていました。
自分たちも被災者です。
家族のこと。
生活のこと。
将来への不安。
それでも、
目の前のスタッフやお客様を守ろうと動き続けていました。
体力的にも、
精神的にも、
限界に近かったと思います。
翌日から安否確認は、首都圏の管理職やメンバーが対応しました。
そして、その後
会社が判断したことがあります。
家庭の事情や、
心身の疲労が大きい社員は、
他エリアへ異動できるようにする。
そして、
首都圏を中心に全国の社員へ、
東北エリアを支えたい人の異動希望を募ったのです。
実際に、
多くの仲間が東北へ向かいました。
会社が社員を守る。
社員が仲間を支える。
私はその姿を見て、
組織とは仕事をする場所ではなく、
人を支え合う場所なのだと感じました。
災害時に本当に問われるもの
災害時には、
マニュアルも必要です。
BCP(事業継続計画)も必要です。
安否確認の仕組みも必要です。
でも、
最後に人を支えるのは、
制度ではありません。
人との信頼関係です。
「まずは自分と家族の安全を優先してください」
そう言える上司。
「困ったら助けて」
と素直に言える社員。
そして、
自然に手を差し伸べる仲間。
そんな関係は、
災害が起きてから作れるものではありません。
普段から積み重ねてきた信頼が、
非常時に組織の力になります。
心理的安全性とは何か
最近は、
心理的安全性という言葉を耳にする機会が増えました。
私は、
心理的安全性とは、
自由に意見を言えることだけではないと思っています。
困った時に、
「助けてください」
と言えること。
「今日は出社できません」
と言えること。
「家族を優先します」
と言えること。
そして、
それを受け止めてもらえる安心感。
それも心理的安全性なのではないでしょうか。
あの日から変わらない想い
東日本大震災から年月が経った今でも、
あの日のおにぎりの温かさを忘れることはありません。
それは、
お米の味ではなく、
人の優しさの味でした。
会社は社員を守ろうとしていました。
社員もまた、
仲間を守ろうとしていました。
だから私は今でも思います。
本当に強い組織とは、
利益を出す組織だけではありません。
非常時に、
人を守れる組織です。
そして、
その土台になるのは、
日頃から築かれた信頼関係なのだと思っています。
研修のご案内
私は現在、
離職防止・心理的安全性・管理職支援をテーマに、
企業研修を行っています。
制度や仕組みだけではなく、
「安心して話せる関係性」
「困った時に助けを求められる職場」
「人が人を支える組織文化」
を大切にしています。
心理的安全性とは、
平時だけではなく、
非常時にも人を支える力になります。
人を守る組織づくりを、
これからも企業の皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。
🌿 社員が辞めない組織づくり研修
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