人は事実ではなく解釈で会話している

~ なぜ同じ話をしているのに伝わらないのだろう ~

人と話していて、

「そんなつもりで言ったんじゃないのに」

と思ったことはありませんか。

私はあります。

しかも何度もあります(笑)

人材業界で働いていた頃のことです。

ある日突然、

常務に呼び出されました。

「阪本さん、上司に悪態をついているらしいですね」

正直、

全く身に覚えがありませんでした。

何のことだろうと思いながら話を聞いているうちに、

おそらく私はこんな話をしていたのだと思います。

支店長が定時で帰ることが問題なのではない。

営業から戻ってきたメンバーが、

相談したい時に相談できず困っている。

だからもう少し、

メンバーとの関わり方を考えた方がいいのではないか。

私が伝えたかったのは、

上司批判ではありませんでした。

メンバーが働きやすい環境についてでした。

でも、

誰かを経由して伝わるうちに、

「支店長への不満」

として伝わったのかもしれません。

そして常務は、

まず支店長の話を信じるところから始めました。

その時私は、

思わずこう言いました。

「常務は私のことを何も理解していませんよね」

今思えば、

かなり生意気な部下だったと思います(笑)

おそらく、

そんなことを言う社員は少なかったのでしょう。

一瞬、

空気が変わったのを覚えています。

でも私は、

自分の言葉で伝え続けました。

すると不思議なことに、

それ以降、

常務は色眼鏡を外して向き合ってくれるようになりました。

私はこの経験から、

とても大切なことを学びました。

人は事実で会話しているようで、

実は解釈で会話している。

ということです。

同じ言葉でも、

立場によって受け取り方は変わります。

同じ出来事でも、

見ている景色が違えば意味も変わります。

だから、

話が伝わらないことが起きる。

誤解が生まれる。

すれ違いが起きる。

それ自体は、

ある意味当たり前なのかもしれません。

大切なのは、

そこで決めつけないこと。

「この人はこういう人だ」

「きっとこういう意味だろう」

そうやって結論を急がないことです。

私が尊敬していた上司は、

いつもこう聞いてくれました。

「それはどういう意味?」

「阪本さんのいいたいことはこういうこと?(ちゃんとまとめて確認する)」

言葉尻をとらえるのではなく、

その奥にある思いを理解しようとしてくれました。

だから安心して話ができました。

だから挑戦することもできました。

これは保育の現場でも同じです。

子どもが乱暴な言葉を使った時。

反抗的な態度を見せた時。

私たちはつい、

行動だけを見てしまいます。

でもその奥には、

不安や寂しさ、

助けてほしい気持ちが隠れていることがあります。

社員も同じです。

反対意見を言う人。

不満を言う人。

口数が少ない人。

その行動だけを見て判断してしまうと、

本当に伝えたいことを見失うことがあります。

だから私は、

理解することから始めたいと思っています。

評価する前に。

指導する前に。

結論を出す前に。

まず相手を理解しようとする。

それだけで、

人との関係は大きく変わるような気がしています。

人が辞めない会社。

人が育つ職場。

安心して話せる組織。

その土台にあるのは、

「理解しようとする姿勢」

なのかもしれません。


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