部下の本当の苦労を知っていますか?
~30℃超えの日、管理職が最初にかけるべき「ひと言」とは~
今日も35℃の予報です。
梅雨が明けたと思ったら、
一気に真夏がやってきました。
外に出るだけで汗が噴き出し、
少し歩くだけでも体力を奪われます。
こんな日だからこそ、
管理職の皆さんに考えていただきたいことがあります。
皆さんは、部下の「暑さ」を想像できていますか。
私は30年間、
人材業界で営業という仕事をしてきました。
営業は会社に利益をもたらす仕事だと言われます。
もちろん、それは間違いではありません。
でも私は、
営業とは数字をつくる仕事ではなく、
会社の信頼を届ける仕事だと思っています。
だからこそ、
お客様の前に立つまでの準備も仕事の一つです。
真夏の外回りでは、
できるだけ汗をかかないように、
外では上着を脱ぎ、
少し早めにお客様の会社へ到着します。
汗を落ち着かせ、
身だしなみを整え、
「お世話になっています。」
と笑顔でドアを開ける。
雨の日も同じです。
濡れたままお客様の前へ行くことはありません。
営業は、
商品を届ける前に、
安心感や信頼を届ける仕事だからです。
そのために、
見えないところでたくさんの工夫をしています。
ある夏の日、
若手の営業社員から相談を受けました。
「外回りから戻って上着を脱いでいたら、
ノースリーブは良くないと注意されました。」
私の会社には、
服装や身だしなみを大切に考える先輩社員がいました。
もちろん、
お客様に不快な印象を与える服装なら、
私も注意したと思います。
でも、
その日は違いました。
30℃を超える暑さの中を一日中歩き回り、
ようやく会社へ戻ってきた社員です。
会社へ帰ってきて、
やっと上着を脱ぎ、
一息つこうとしている時間でした。
私はその話を聞いて、
「せめて会社に戻った時くらい、
上着を脱いでほっとする時間があってもいいのではないか。」
そう思いました。
私はその日のうちに、
その先輩社員のところへ話をしに行きました。
営業の現場では、
どれだけ暑さと闘いながら仕事をしているのか。
汗をかきながらも、
お客様には気持ちよくお会いできるよう、
どれだけ気を配っているのか。
そして、
こうお伝えしました。
「もし営業の苦労が伝わりにくいのであれば、一度一緒に同行してみませんか。」
一日中オフィスで仕事をしていると、
外回りの暑さも、
冬の寒さも、
雨の日の大変さも、
想像するしかありません。
でも、
一度でも現場を見ると、
その苦労は想像以上だということがわかります。
幸い、
その後は理解をいただくことができました。
私は管理職として、
いつも大切にしていたことがあります。
それは、
現場を知ることです。
人は、
自分が経験したことしか、
本当の意味では理解できないことがあります。
だからこそ、
現場へ足を運ぶ。
話を聞く。
想像する。
その積み重ねが、
部下への理解につながるのだと思っています。
心理学では、
人は「理解されている」と感じることで、
安心感が生まれ、
本来の力を発揮しやすくなると言われています。
暑い日にミスが増えるのも、
集中力や判断力が落ちるのも、
決して気合いが足りないからではありません。
だからこそ、
そんな日に管理職が最初にかける言葉は、
「なんでこんなミスをしたの?」
ではなく、
「今日は暑かったね。」
「体調は大丈夫?」
その一言でいいのです。
その一言には、
「あなたのことを見ていますよ。」
「気にかけていますよ。」
というメッセージが込められています。
心理的安全性というと、
難しい理論のように感じるかもしれません。
でも、
その始まりは、
制度でも仕組みでもありません。
相手の立場を想像すること。
現場で頑張る人を理解しようとすること。
そして、
相手を気づかう一言をかけること。
そんな小さな積み重ねが、
安心して働ける職場をつくっていくのだと思います。
私は企業研修で、
心理的安全性や管理職支援についてお話ししています。
その中でいつもお伝えしているのは、
「管理職に必要なのは、正しいことを言う力ではありません。」
「現場で頑張る人の気持ちを想像する力です。」
制度やルールは大切です。
でも、
そのルールが、
現場で働く人を苦しめていないか。
今、本当に必要な配慮は何か。
それを考え続けることも、
管理職の大切な役割ではないでしょうか。
35℃を超える暑い日だからこそ、
「今日は暑かったね。」
「本当にお疲れさま。」
そんな一言から始まるマネジメントがあってもいい。
私はそう信じています。
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