部下が相談しやすい上司は、何が違うのか

~ 「何かあったら相談してね」が届く人、届かない人の違い ~

「何かあったら相談してね。」

管理職になれば、

一度は口にしたことがある言葉ではないでしょうか。

もちろん、

その言葉に嘘はありません。

本当に相談してほしい。

力になりたい。

そう思っている上司はたくさんいます。

それでも、

部下はなかなか相談してくれません。

なぜでしょうか。


私が勤めていた会社では、

期初の目標設定面談、

キャリア面談、

評価面談など、

上司と部下が話す機会は比較的多い会社だったと思います。

面談の仕組みは整っていました。

でも、

責任者によって、

その面談の進め方は大きく違いました。

15分で終わる人。

30分かける人。

1時間じっくり話を聞く人。

時間も内容もさまざまでした。

中には、

評価を伝えるだけで終わる、

形式的な面談になってしまうこともありました。

もちろん、

面談そのものは大切です。

でも私は、

30年間働く中で、

もっと大切なことに気づきました。

それは、

本当に大切なのは、面談の時間ではなく、面談と面談の間の時間だということです。


私は支店長になった時、

一つ心に決めていたことがありました。

部下から

「支店長、今いいですか?」

と言われたら、

できるだけ後回しにしないこと。

もちろん、

会議やお客様との約束で、

その場では時間が取れないこともあります。

でも、

そんな時は必ず、

「15時なら大丈夫。」

「今日の17時に話そう。」

と約束をしました。

「あとでね。」

ではなく、

「いつ話せるか」を伝える。

それだけで、

相手は安心できます。


もう一つ、

私が大切にしていたことがあります。

それは、

毎日、

全員に声をかけることでした。

「昨日の件、どうだった?」

「体調は大丈夫?」

「ありがとう、助かったよ。」

「最近〇〇さん、元気そうだね。」

特別な話ではありません。

雑談でもいい。

仕事の話でもいい。

大切なのは、

相談が必要になった時だけ話す関係ではなく、

普段から話している関係をつくることでした。


心理学では、

人は安心できると感じた相手に、

初めて本音を話せると言われています。

だから私は、

相談しやすい上司とは、

質問が上手な人ではなく、

安心感を与えられる人なのだと思っています。


研修で

「1on1をうまく進めるにはどうしたらいいですか?」

と質問をいただくことがあります。

もちろん、

面談の進め方や質問の仕方も大切です。

でも、

私はその前にお伝えしたいことがあります。

人は、面談で信頼関係をつくるのではありません。

毎日の何気ない会話。

「ありがとう。」

「お疲れさま。」

「最近どう?」

そんな小さな積み重ねがあるからこそ、

面談でも本音が話せるのです。


だから私は、

1on1は、

信頼関係をつくる時間ではなく、

信頼関係を確かめ合う時間だと思っています。

日頃ほとんど会話をしていない相手に、

突然

「今日は何でも話してください。」

と言われても、

本音を話すことは簡単ではありません。

でも、

普段から安心して話せる関係ができていれば、

面談は、

未来について一緒に考える、

とても価値のある時間になります。


私たちは、

「相談してください。」

という言葉を伝えることはできます。

でも、

「相談したい。」

と思ってもらえるかどうかは、

毎日の関わり方で決まります。

だから私は、

相談しやすい上司とは、

話を聞くのが上手な人ではなく、

相談する前から信頼を積み重ねている人だと思っています。


研修・講座のご案内

私は企業や保育・教育現場で、

心理的安全性や管理職支援をテーマに研修を行っています。

「何かあったら相談してね。」

その一言だけでは、

安心して話せる職場は生まれません。

日々の声かけ。

承認。

感謝。

そして、

相手の小さな変化に気づくこと。

その積み重ねが、

心理的安全性を育み、

相談しやすい職場、

そして離職しにくい組織づくりにつながっていきます。

管理職の関わり方が変わると、

部下の表情が変わります。

部下の表情が変わると、

職場の空気が変わります。

私は、そんな組織づくりを、これからもお手伝いしていきたいと思っています。

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