頑張る力より、回復する力。
~あの夏の日に教えられたこと~
昨日のブログでは、
「40℃の日は、頑張る日ではなく守る日」
ということを書きました。
今日は、その続きをお伝えしたいと思います。
守ることができたら、次に大切なのは回復することです。
実は私には、支店長時代に今でも忘れられない出来事があります。
新入社員として配属された一人の女性社員がいました。
仕事に対する姿勢も、物事の考え方も、とても素晴らしい人でした。
素直で、吸収が早く、お客様からの信頼も厚い。
「この人ならきっと成長する。」
そう思った私は、先輩社員のサポートをつけながら、少しずつ責任のある仕事も任せていました。
もちろん、無理をさせないように気をつけているつもりでした。
でも今思えば、「大丈夫そうに見える」という私の思い込みがあったのかもしれません。
ある暑い夏の日のことです。
クライアントへの訪問を終え、ビルのロビーでメンバーと打ち合わせをしていました。
ふと目を向けると、その新人社員がソファに座っていました。
何となく様子がおかしい。
そう感じて近づくと、体調が優れず、話を聞くうちに心もかなり疲れていることが分かりました。
それでも彼女は、
「この後、大事なアポイントがあるので……」
と、仕事のことを気にしていました。
私は、
「仕事は私でも先輩でも代われる。でも、あなたの代わりはいないよ。」
そんな思いで、タクシーに乗せて家に帰ってもらいました。
その後、彼女は一週間ほど休養を取り、少しずつ職場に戻ってきました。
でも私は、ずっと自分に問いかけていました。
「もっと早く気づけなかったのだろうか。」
「頑張れる人だからと、期待をかけすぎていなかっただろうか。」
管理職は、つい「頑張れる人」に仕事を任せたくなります。
本人も責任感が強いから、「できます」と引き受けてくれる。
だからこそ、気づいた時には、心も体も限界に近づいていることがあります。
あの出来事から、私の管理職としての関わり方は変わりました。
「この人はどこまで頑張れるか」ではなく、
「この人は、ちゃんと回復できているだろうか。」
そう考えるようになったのです。
人は、頑張ることで成長することもあります。
でも、本当に長く力を発揮できる人は、
頑張る力だけでなく、回復する力を持っている人です。
そして、その回復を支える環境をつくることも、管理職の大切な役割なのだと思います。
40℃近い暑さが続く今。
働く人も、子どもたちも、いつも以上に疲れやすくなっています。
だから今日は、
「もう少し頑張ろう」
ではなく、
「ちゃんと休めている?」
そんな一言を、自分にも、周りの人にもかけてみませんか。
その一言が、誰かの明日を守ることにつながるかもしれません。
研修・講演のご案内
今回ご紹介したエピソードは、私が支店長時代に経験した忘れられない出来事です。
管理職は、つい「頑張れる人」に期待を寄せてしまいます。
でも、本当に大切なのは、成果だけを見ることではなく、「この人は回復できているだろうか」と気づく視点を持つことでした。
企業研修では、こうした実際の経験をもとに、
- 部下の小さな変化に気づく力
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