9月、子どもの変化の陰で頑張っている人はいませんか?
~子育て中の社員の「大丈夫です」を、そのままにしない職場へ~
子育て世代支援を考えるとき、9月は少し気にかけてほしい時期です。
長い夏休みが終わり、学校生活が再び始まるこの時期は、子どもの変化だけでなく、その子を支えながら働く親にも目を向けてほしいと思います。
長い夏休みが終わり、学校生活が再び始まる。
楽しみに登校する子もいれば、生活リズムを戻すことに時間がかかる子もいます。
朝、なかなか起きられない。
「学校に行きたくない」と言う。
急にお腹が痛くなる。
帰ってきたら機嫌が悪い。
いつもより甘える。
口数が減る。
そんな子どもの「いつもと違う」に、心配になる親もいるでしょう。
そして私は、その子どもたちのことを考えると同時に、もう一人、気になる人がいます。
その子を心配しながら、毎朝仕事に向かっている親です。
子どもを送り出したら、親は仕事へ向かう
朝から子どもの様子がおかしい。
「学校に行きたくない」
と言われる。
なんとか話をして、学校へ送り出す。
あるいは学校を休ませ、家族と連絡を取り、今日一日をどうするか段取りをつける。
そして、自分は会社へ向かう。
会社に着けば、いつもの仕事が待っています。
メールを確認する。
会議に出る。
お客様に連絡する。
上司から進捗を聞かれる。
9月になれば、職場によっては上半期の実績が見え始め、下期の目標や来年度の計画も動き始めます。
そんな中でも、頭の片隅には、
「あの子、今日は大丈夫かな」
が残っているかもしれません。
身体は職場にいても、心の一部は家庭にある。
そんな状態で働いている人が、私たちのすぐそばにいるかもしれないのです。
子育て世代支援で見落としたくない「申し訳なさ」
子育てをしながら働いている人から、こんな言葉を聞くことがあります。
「子どものことで、また休むのは申し訳ない」
「みんなに迷惑をかけたくない」
「これ以上、仕事に影響させたくない」
「ちゃんと仕事もしなければ」
子どものことが心配。
でも、仕事も大切。
どちらかを大切にしたいから、どちらかを手放したいわけではありません。
どちらも大切だからこそ、苦しくなることがあります。
そして、周りに迷惑をかけたくない人ほど、何も言わずに頑張ってしまうことがあります。
職場では「普通」に見えているかもしれない
ここが、とても難しいところです。
本当に大変な人が、必ずしも、
「私は今、大変です」
という顔をしているわけではありません。
いつも通り出勤する。
いつも通り仕事をする。
笑顔で話す。
そして、
「大丈夫?」
と聞かれれば、
「大丈夫です」
と答える。
私は人材業界で長く仕事をする中で、この「大丈夫です」という言葉を何度も聞いてきました。
でも、その「大丈夫」のあとに、会社を辞めていった人もいました。
だから私は、
言葉だけではなく、その人の状態を見ること
が大切だと思っています。
9月、管理職に見てほしい社員の「いつもと違う」
たとえば、
いつもより口数が少ない。
ちょっとしたミスが増えた。
休憩時間も一人でいる。
以前より相談してこなくなった。
仕事のスピードが落ちている。
反対に、いつも以上に頑張っている。
もちろん、一つの変化だけを見て、
「家庭で何かあったのでは?」
と決めつける必要はありません。
まして、家庭の事情に踏み込みすぎることも違います。
大切なのは、
「最近、いつもと少し違うな」
と気づくこと。
そして評価を下す前に、
「何かあったのかな」
という視点を持つことです。
「最近、やる気がない」で終わらせない
9月以降、管理職自身にもプレッシャーがかかります。
上半期の実績。
目標との差。
下期の数字。
修正予算。
来年度の予算や事業計画。
当然、部下にも成果を求めます。
そんなときに、以前より仕事のスピードが落ちている社員がいたら、
「もっと頑張ってほしい」
「最近、やる気がないのかな」
と思うこともあるでしょう。
でも、そこで一度だけ、
「この人、何か抱えていないかな」
と考えてみてほしいのです。
仕事への意欲の問題ではないかもしれません。
家庭で誰かを支えながら、自分自身もギリギリのところで仕事をしているのかもしれません。
子どもの「いつもと違う」は、親の心にも影響する
私は「子どもの絵」を通して、子どもの言葉にならない気持ちに気づく活動をしています。
長期休業明けは、子どもの心の変化に周囲の大人がいつも以上に注意を向けたい時期でもあります。
文部科学省も、長期休業明けに向けた児童生徒の自殺予防について注意を呼びかけています。
https://mext.ent.box.com/s/0t773y8k2zv70x348k88xq6muu15sy9n/file/2389785478999
子どもは、自分の状態をいつでも上手に説明できるわけではありません。
表情。
行動。
言葉。
遊び。
そして、絵。
いろいろなところに変化が表れることがあります。
ただし、一つの行動や一枚の絵だけを見て、子どもの心理状態を決めつけるものではありません。
大切なのは、
その子の「いつも」を知っていること。
いつもを知っているからこそ、
「ちょっと違うな」
に気づけます。
そして、その変化に一番早く気づくのは、身近にいる親であることも多いでしょう。
だからこそ、子どもに変化があるとき、
その子を見守っている親の心も揺れているかもしれない。
私は、職場にもその視点が必要だと思っています。
子どもの変化については、以前の記事
「子どもの『いつもと違う』に気づける大人でいたい」でも詳しく書いています。
https://moreplus-art.com/kodomonohennkanikiduku/
子育て世代支援は「制度がある」だけで十分でしょうか
企業では、子育てと仕事を両立するための制度が整ってきています。
育児休業。
時短勤務。
看護等休暇。
在宅勤務や柔軟な働き方を取り入れている企業もあります。
もちろん、制度はとても大切です。
でも私は、
制度があることと、制度を安心して使えることは別
だと思っています。
制度はある。
でも、
「また休むの?」
と思われそう。
忙しいチームだから言い出せない。
同僚に仕事をお願いするのが申し訳ない。
評価に影響するのではないかと心配。
そんな空気があれば、制度があっても使うことをためらいます。
だから、子育て世代を支えるために必要なのは、制度だけではありません。
「困った」と言える関係です。
「何かあったら言ってね」で終わらせない
よく、
「困ったことがあったら言ってね」
と言います。
もちろん、とても大切な言葉です。
でも、本当に困っているときほど、
「困っています」
と言えないことがあります。
だから私は、日頃の関係が大切だと思っています。
「最近どう?」
「ちょっと疲れてない?」
「何かあったら、仕事のことは一緒に考えよう」
そんな短い言葉でもいい。
大切なのは、
話しても大丈夫だと思える関係を、何も起きていないときからつくっておくこと。
心理的安全性というと、少し難しい言葉に聞こえるかもしれません。
でも、その始まりは案外、こういう小さな関わりなのではないでしょうか。
支えるのは、管理職一人ではない
そして、もう一つ大切にしたいことがあります。
子育て世代支援を、管理職だけの仕事にしないことも大切です
「今日はお迎えがあるんだよね」
「そこは私がやっておくよ」
「明日で大丈夫ですよ」
そんな言葉を、同僚同士でも自然に言える。
そして今度は、その人が誰かを助ける。
支える人と、支えられる人を固定しない。
誰にでも、助けてもらう日がある。
誰かを助けられる日もある。
そんなチームなら、子育てだけでなく、介護や病気、さまざまな事情を抱えたときにも働き続けやすくなります。
子育て世代支援は、特定の人だけを優遇することではなく、
誰もが「困ったときは助けてもらえる」と思える組織をつくること
にもつながるのだと思います。
9月の子育て世代支援は「働く親」に目を向けることから
9月。
子どもの変化に気づくことは、とても大切です。
でも、その子どものそばには、
心配しながら仕事へ向かっている親がいるかもしれません。
朝、子どもと向き合い、
職場では社員として働き、
帰宅したら、また親になる。
その人が何も言わず仕事をしているからといって、
何も抱えていないとは限りません。
だから職場でも、
「あの人、最近どうかな」
と少しだけ周りを見てみる。
子育て世代支援とは、特別な制度を増やすことだけではありません
「何かあったら言ってね」と言えること。
そして、
本当に言っても大丈夫な職場であること。
子どもの「いつもと違う」に気づくように、
働く人の「いつもと違う」にも気づける。
そんな職場が増えれば、
子育てをしながら働くことを、一人で抱え込まなくてもよくなるのではないでしょうか。
私は、子どもの絵から「言葉にならない気持ち」に気づく活動と、人材業界での経験を活かした企業研修を行っています。
一見、違う二つの活動ですが、私の中では同じところにつながっています。
人は、いつでも「助けて」と言えるわけではない。
だからこそ、
言葉になる前の小さな変化に気づくこと。
そして、安心して話せる関係をつくること。
9月は、そんなことを職場でも家庭でも、少し考えてみる時期にしてみませんか。
🌿 社員が辞めない組織づくり研修
https://x.gd/4YqDi
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https://kodomonoe-facilitator.hp.peraichi.com/
