管理職が一番やってはいけない比較とは
~ 人は、自分のものさしで測られた時ではなく、理解された時に成長します ~
三連休が始まりました。
今日も朝から厳しい暑さです。
暑い中で仕事をしている方もいれば、家族との時間を過ごしている方もいるでしょう。
そんな今日は、管理職として30年間、多くの部下と向き合ってきた私が、今だからこそ反省も込めて伝えたいことを書いてみたいと思います。
管理職になると、人を評価したり、育てたりする場面がたくさんあります。
その中で、私が一番気をつけなければならないと思うことがあります。
それは、
「自分のものさしで相手を測ること」です。
実は、これは私自身が長い時間をかけて学んだことでもあります。
私は昔から、
自分のことを優秀だと思ったことがありませんでした。
だからこそ、
「私にできることなら、誰にでもできる。」
そう信じていました。
できないのは能力ではなく、
やるか、やらないかの違い。
本気でそう思っていたのです。
だから部下にも、
「きっとできる。」
そう期待していました。
そんなある日、
上司から言われた言葉があります。
「阪本さんにできることが、誰にでもできるわけじゃないよ。」
でも当時の私は、
「やる気の問題じゃないですか。」
そう返した記憶があります。
今振り返ると、
私は相手を信じていたつもりで、
実は、
自分を基準に相手を見ていたのだと思います。
管理職になると、
こんな比較をしてしまうことがあります。
「あの人はできているのに。」
「前任者ならもっと早かった。」
「私が新人の頃はもっと頑張っていた。」
「普通はこれくらいできるでしょう。」
どれも悪気はありません。
期待しているからこそ出る言葉です。
でも、その言葉の奥には、
「私はできた」という自分の基準が隠れていることがあります。
人は一人ひとり違います。
得意なことも違えば、
苦手なことも違います。
覚えるスピードも違えば、
育ってきた環境も違います。
同じ説明を聞いても、
理解の仕方は人それぞれです。
だから、
自分には簡単だったことが、
相手にとっては大きな壁かもしれません。
私は30年間、人材業界で多くの人と関わる中で、
少しずつ考え方が変わりました。
管理職の仕事は、
「自分と同じようにできる人を育てること」ではありません。
一人ひとりを理解し、
その人が持っている力を発揮できるよう支えることです。
もちろん、
改善してほしいことを伝える場面もあります。
でも私は、
人格を否定するような言い方はしないよう心がけていました。
「あなたはダメだ。」
ではなく、
「このやり方を変えるともっと良くなるね。」
「次は一緒に考えてみよう。」
相手を責めるのではなく、
未来に目を向ける。
その方が、人は安心して挑戦できるからです。
心理学では、
人は「受け入れられている」と感じた時に、
安心して挑戦できるようになると言われています。
反対に、
比較されたり、
否定されたりすると、
失敗しないことが目的になってしまいます。
質問が減る。
相談が減る。
報告が遅くなる。
以前のブログでも書いたように、
心理的安全性とは、
安心して話せる関係があることです。
その土台を壊してしまうのが、
無意識の比較なのかもしれません。
今の私は、
以前の自分とは少し違います。
「できるか、できないか。」
ではなく、
「どうすれば、この人が力を発揮できるだろう。」
そう考えるようになりました。
管理職が持つべきなのは、
自分の経験や、
自分の正しさではありません。
相手を理解しようとする姿勢です。
このブログは、
誰かを責めるために書いたものではありません。
むしろ、
当時の自分への自戒の念を込めて書いています。
私は管理職として、
たくさんの部下を育ててきたつもりでした。
でも実際には、
私自身が部下から育ててもらっていたのだと思います。
「人はみんな違う。」
そんな当たり前のことを、
私は現場で何度も教えてもらいました。
だから今は、
「私ならできる。」
ではなく、
「この人には、どんな関わり方が合っているだろう。」
そう考えるようになりました。
管理職の成長とは、
部下を変えることではなく、
自分のものさしを少しずつ広げていくことなのかもしれません。
人は、
比べられた時ではなく、
理解された時に成長します。
そして、
管理職が本当に向き合うべき相手は、
「理想の部下」ではありません。
目の前にいる、
たった一人の部下です。
その人の可能性を信じ、
その人に合った関わり方を考える。
私は、そんな管理職が増えることで、
安心して働ける職場が増え、
一人ひとりが力を発揮できる組織につながっていくと信じています。
研修・講座のご案内
私は企業や保育・教育現場で、心理的安全性や管理職支援をテーマに研修を行っています。
人が育つ組織には、「比較する文化」ではなく、「理解する文化」があります。
一人ひとりの違いを受け止め、その人らしい成長を支える関わり方を学ぶことで、安心して挑戦できる職場づくりをお手伝いしています。
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